スキルアップ講座 FAQ一覧

体を動かす感覚において、特に触覚・固有覚のこの2つが必要」という箇所について 体を動かすためのボディイメージは3つとなっているのに、平衡感覚が必須となっていないのはなぜ?

この講座では、アプローチとしてマッサージや全身運動を行うため、特にその2つをお伝えしています。
3つともボディイメージとして大切なことは変わりません。特にとお伝えしたのは、プログラムの中に特にこの2つをしっかり入力してるからという意味になります。

平衡感覚は、運動の中で常に入ってきます。平衡感覚は、トランポリンを飛んだり、滑り台を滑るなどの動きが感覚統合ではメインになるので、そこまで今回の活動には入ってないのでメインの2つという形でお話ししています。

[ずり這い」と「腹這い」これは同じ動作と理解して良いのでしょうか? マイルストーンでは、ずり這いと表記されています。違いを教えてください。

はい。同じと理解して大丈夫です。それぞれ書籍によって違いますが、同じ意味として使ってあると思ってます。
参考図書などの引用はそのまま記載しないといけないので、記載のまま使っています。

首の座り
頸定
も同じ意味です。

ボディーイメージの話で「他者の動きを自己の運動に置き換える」は、自分と相手が違う存在だと気づく、これを通してまねをする力が育つと理解できるのですが、その後の 「真似をすることがコミュニケーションの土台になる」とおっしゃっていたのがイメージできません。 真似ができることがどんなコミュニケーションにつながるのでしょうか?

例えば、子どもが言葉を覚えたり、やりとりをして理解をするのは、赤ちゃんの時期から真似することで発達していきます。
赤ちゃんが「ママ」としゃべるようになるのも、お母さんがママという言葉を教えて、その発音や口真似し始めるので「マンマ」とかを覚えていきます。子どもの発達を学ぶ上では真似る=学ぶはよく言われています。
書籍も多くでていますので、ここの講座では詳しくお伝えしていない部分を興味があれば読んで見られたらいいかなと思います。

山野井先生が養成講座動画の中で「ここは〇〇できるようになっておいてください」「皆さんはここのポイントを抑えておいてください」などとおっしゃっているのは、講師に対しておっしゃっていることなのか、それとも受講生に対して「ここは〇〇できるようになっておいてくださいね」とお伝えしたほうがいいのか、その辺りの解釈についても教えていただけるとありがたいです。

発達を支援する上で、支援者は知っておいた方がいいという視点でお話ししているので、特にどちらに向けてという分け方はしていません。
講師になる人はここは知っておいた方が良くて、受講生でも支援者であるなら知っておいた方が良いと思います。
私がお伝えした「ここは押さえておいてください」と言ったことがまず説明できないと、聞かれたときに答えにくいかとは思います。

うつ伏せの運動で再学習するもので、 効果・見るポイント「胸椎の伸展」について説明されているところで、”ブラジャーのフックのあたりが伸びているか、、”とおっしゃっていたのですが、うつぶせの場合、胸椎?が伸展したら、ブラジャーのフックのあたりは縮むのではないかと思うのですが。

ブラジャーのホックラインの場所が胸椎の進展の起点だと言われています。
なので、伸展の場所を示す場所として通常ブラジャーのホックがある場所をイメージしやすいように身体を診る人達は例えるので、その説明になります。なので、伸展した状態だとホックが縮むというリアルな話ではないので、胸椎伸展する場所を示す意味だとご理解ください。

感覚過敏があると「動かされることを嫌う」というところは理解できたのですが、「目に入ったものにすぐに反応する 」「言語に対しての反応が低い」 というつながりが良く分かりません。 目に入ったものにすぐに反応する…というのは触る・触られるということのない刺激(視覚のみ)だから?? 言語に対しての反応が低い、というのは触覚から広がるはずの言語の発達が乏しく言語の理解が進みにくいから?? そういう結びつけが必要なのではなく、こういうケースが多くなります…ということ言葉で〆て次に進めばいいのでしょうか?

感覚が過敏で入力がうまくいっていない

ボディイメージや運動企画が育ちにくい

相手を意識すること
コミュニケーションに影響

言語機能の発達の問題

言語への反応
声掛けなどに反応しにくい

感覚統合のピラミッドの部分の考えになります。

ボディイメージは相手を認識する土台にもなるという理解にもつながってきます。
言語に対しての反応が低いのは、「ボディイメージが育たないとコミュニケーションが育まれない」という話になってきます。ボディイメージを土台として人と自分が違う存在であることを学び、コミュニケーションが生まれ、言葉を学んでいくので、言葉の認知が育ってないため、反応しないということになります。

感覚が過敏という事は、視覚も感覚刺激なので同様です。
音に過剰に反応するのも同じ理論になります。

感覚の所は、感覚ピラミッドが理解でき、ボディイメージとコミュニケーションが繋がっているかが理解出来れば結びつくかなと思ってはいます。

乳児期の運動発達の過程で、ハイハイよりつかまり立ちが前に来ているのはどうしてですか? マイルストーンでもハイハイの方が先となっているのですが。

マイルストーンは色んなものがあり、少しずつ誤差があります。
つかまり立ちは、ずり這いなど移動手段ができるようになるとできるようになるという発達プロセスになってます。

ハイハイする頃にはずり這いはできていると考えますので10ヶ月。

マイルストーンはこの時期できているであろうと考えられる大まか月齢。
順番ではないので、時期的には10ヶ月で、できてるよということになります。

つかまり立ちは
・移動手段ができ、上下肢の支持性があればできる
・ハイハイができればできる
以上の2点です。

腹這い時の「手の開き」は観察ポイントになりますか?肘をついた腹這いは良いのでしょうか?

乳児期の発達では、腹這いの時、手はグーでも問題ありません。乳児期に関してはどちらでも良いのですが、運動的にはグー(肘の回内)よりパー(中間位)の方が体重移動はしやすいので効率的に動けるとは思います。最終的には、四つ這い時にどうするかがポイントだと思います。

肘が抜けやすい2歳のお子様。どうぶつ体操の「ぶら下がる」運動の代わりになるものはありますか?

手押し車とかはどうでしょうか?荷重不足で筋肉の出力が出にくいのかもしれませんね。保護伸展反応とかも出にくそうだなって思いました。保護伸展反応を引き出して、両手支えで遊ばせながら、片方支えで、輪投げ遊びもいいかなと思います。
栄養面も関連があることがありますね。痩せている場合、栄養が足りないと筋力がつきにくいことがあります。

高這い運動は、膝を伸ばして行うのが良いのでしょうか。顔を上げられない子は、どんな力が足りないのでしょうか。

高這いは、膝が曲がらないと動けない運動です。「上肢で姿勢を支えながら、足の指を使ってバランスをとって動く」ことが大事だと思います。顔を上げられない子の場合、姿勢的には「進行方向をみる」ことができていれば良いと思います。
それよりも顔の上りが低いとなると、立ち直り反応がでていないか、それに伴う筋力の不足が考えられます。要因としては、0歳期のうつ伏せの経験不足に伴うヘッドコントロールの不足が考えられます。反りやすかったり、早めに座らせられて頭部が前傾気味になっていたりなど。
しかしながら、予測の範囲なので、検証しないと何が原因かは断言できないです。乳児期の発達を確認したり、現時点での動きから可能性を分析することが必要だと思います。

睡眠時に覚醒して運動し始める子がいます。感覚の過敏さの関係はありますか?

感覚の問題と関連性はあります。交感神経優位状態であれば寝つきが浅い状態になり、寝れないことで刺激に敏感だったり不穏があることで覚醒してしまっている可能性はあります。リラクゼーションをする効果としてマッサージをすることで、副交感神経が優位になって寝つき安くなる可能性があります。睡眠の問題は、アプローチや対応が難しいですが、「運動をすることで自律神経を整える。マッサージをすることでリラクゼーションできる」など、睡眠に間接的に影響することは期待できます」という範囲では答えられるかと思います。
睡眠学の観点でいうと、中途覚醒は発達障害の可能性があると考えられていますので、早めのアプローチが必要だと思います。

※睡眠問題については、WARAリズムのスキルアップ講座の範疇ではないことを前提としてご見解をいただいております。

素肌に触れるのは嫌だけれど、バスタオルを1枚はさむと触れさせてくれるお子様がいます。

苦手な感覚は、その苦手な感覚を入れることでしか解消されません。特に圧覚に関しては、体重が乗る感覚と同じくらいの圧が受け入れられているかどうかが重要です。タオルを1枚はさむ=何かをはさまないと受け入れられないということです。

感覚過敏が全身に及ぶ場合(抱っこもダメ、仰向けもダメ、うつ伏せもダメ)であっても、マッサージのアプローチの考え方としては「足→手→口」の順序から行うことで解消されるのでしょうか?

運動する上で感覚受容器がたくさんある「足・手・口」の3つで見ると、足からのマッサージではありますが、感覚過敏は部分的ではなく全身にあります。

「発達の歪み」とはどういうことを指して言うのでしょうか?

→発達の歪みとは、知能・身体面など、それぞれに「ばらつき」がある場合のことを言います。 例えば、身体面は検査すると1歳だけど、精神年齢は年相応の3歳とか。本来であれば、3歳の実年齢だとすれば、他の発達年齢もその前後ですが、極端なバラツキがあることをいいます。

※医療的サポートが必要なお子様のケースは、当講座では取り扱っていないことを前提として回答をいただいてます。

感覚が鈍感な子には、どのようなアプローチがあるのでしょうか?(例.熱いものがこぼれても反応しない、運動全般が苦手、他人への反応が薄い、つま先立ちを好む、お友達を押してしまう等)

感覚が鈍麻(どんま)の子の特徴として、覚醒が低い印象があります。爪先立ちの場合、覚醒を高めるために行なっていると考えられます。また、お友達を押してしまうことに関しては、行動学習の問題があり、ノーゴーで衝動をコントロールする経験があったのかも重要になります。感覚の問題=行動の問題と一括りにすると支援が偏るのでここは注意が必要です。
運動指導の対応としては、アプローチは同じです。感覚の偏りは過敏でも鈍麻でも、運動・栄養・睡眠のバランスに問題がある可能性があります。まずはマッサージの感覚入力をして運動しやすい状態をつくってあげてください。さらに鈍麻の子は、覚醒をあげたいので、前庭刺激をセットにするとより効果的かもしれません。

感覚の過敏さは、大きくなってから出現することはあるのでしょうか。

小さい頃から問題が全くなくて、突然出てくるというケースはあまりないように思います。この場合、過敏さに気づけてなかった可能性が高いと考えます。この時の「触って大丈夫だった」ラインというのは、優しいタッチだった可能性が高いと考えられます。
多分、元々あって、強くなっていったか、触覚は大丈夫で触圧覚(圧刺激)は確認してなかったか?のどちらかだと思います。

テキストの「感覚の問題」とは「触覚」のことだけを指していますか? 「触覚過敏」の課題があるということは、他の感覚(視覚・聴覚など)の受け入れにも課題がある可能性が高いのでしょうか?

感覚の問題は、触覚以外もあると考えます。 感覚過敏は、自律神経系の影響から起こっていると考えます。感覚の問題は、交感神経が優位なことから過敏性が起こっているので、全部の感覚刺激に対して何かしらの影響が出ていると考えています。( 例えば、触覚の問題がある子は、1歳頃にアイコンタクト(視覚)がとれない、 音に敏感で音が鳴るたびにそっちに気を取られてしまうなど)